3日経って見えるようになった豆苗
ムスメの脳は視覚情報をうまく取れないようで、本人曰く無かったはずのものが突然、目の前に現れる怪奇現象をしょっちゅう体験しながら生活しているらしいのですが、(それについては、「人は脳で見ている」下記記事で、詳しく書いています)
ある日、私は『言われないと本当に気づかないのかしら』と疑問に思い、黙って様子をみることにしてみました。
私は話をよくする人、つまりおしゃべりなので、今回は出来るだけ黙っていることに専念しました。
黙って、料理に豆苗〈とうみょう〉を使い、料理の説明もせず、感想も聞かず、豆苗の切った根元の部分を水を張ったタッパーに入れて、黙って二期作目を育てていました。
置き場所は、日の当たるテレビの真横。
ムスメはテレビをよく見るし、リビングに居たら絶対目に入らないわけがない場所でしたが、反応はゼロでした。
いつもなら、会話を最低限しかしてこないムスメに
「ほら、見て!」
と、わざわざ声をかけるところですが、実験ですから、今回は黙って水耕栽培を続けました。
すると、3日経ったところで突然、
「あれ? これどうしたの?」
と、ムスメが聞いてきたのです。
どうしたのって、3日前から置いてたけど、気づかなかった?
えー、うそ!? 全然気づかなかった。 でも、よくあるんだよねー、こういうの。
そうなんです!散々目に入ってたはずでしたが、脳が意識している意味での見える、になっていなかったのです。
そして、なんと3日前に、うどんと一緒に豆苗を食べていたことも、気づいていなかったことが分かりました。他にも私が黙っていると何にも気がつかなことが分かり、その状態で暮らすムスメが恐ろしく心配になりました。
その怪奇現象も怒って私のせいにしていた頃は、私もとばっちりを受けていて、それどころではありませんでしたが、目に入ったものが、脳に認識されるまで数日掛かるということは、あらゆることに気がつかないということで、これは大変なことです。
しかも、周りの人に簡単に理解してもらえそうにないので、
「目にしてるんだから、知らない、或いは、分からないはずないでしょう!?」
と、場合によっては責められることもあるかもしれません。
以前は、こういうことは特にプライドに関わるのでモトオと同じく、怒って話し合いになりませんでしたが、ムスメは今それが出来るので、とても成長したと思います。
そして、彼女が昔と大きく違うのは、自分の欠点や失敗を笑って話すことが出来るようになったこと。人間なんてちっぽけな存在ですから、失敗しない人なんていません。
気をつけてもなんともならないことは、周りにきちんと説明して理解してもらえればいいなと思っています。っていうか、それしかない。モトオのように隠すのはアウトです。
悩んでも仕方ないことは、明るく捉えるしかないので、本人大変だと思いますが、怪奇現象も笑いにしています。それくらい心に余裕ができてきたと言えるのかもしれません。
非言語情報が取れないことは実は大変で、三重苦で有名なあのヘレン・ケラーにも共通するくらいということを以下の記事で書いています。
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