発達障害の人によくある睡眠問題について
ムスメが4月から大学生になったのを機に、朝起こすのを止めることにしました。
『そんなことは、もっと早くから本人に任せるべき。過干渉じゃないの?』と思われそうですが、私も発達障害を知るまでそう思っていました。
けれど、発達障害に常識が通じないことが分かってからは、この子の親として何が正しいのかを考えさせられ、試されてきたような気がします。
結論から言うと、ムスメの朝起きれない問題も甘えではなく、本人の努力を超えたところの問題で助けが必要だったりするのでした。
なかなか起きれない子供を助ける行為に絡まってくる別の特性
言わないと分からないけど、言われても聞けない特性
ただ問題は、特性があると、本来なら自分でやらなければいけないことが言われないと分からないので、やってもらっているのに威張って文句を言ったり、人のせいにしたりしてしまうのです。
ムスメはいつまで経っても、まるで小さい子供のように、なんでも私のせいにしてくるので、しょっちゅう口喧嘩になっていました。周りを見て自動的に成長することがなく、言葉にして教えてもらわないと分からないと言いますが、言っても分からないことがよくありました。
これは、いいおじさんだったモトオもまったく同じだったので、発達障害が分からなかった頃は言っても通じない二人に気が狂いそうになりました。
「短く、丁寧に教えてあげるとよい」と、よく本に載っていることも、そう簡単にいかないのが特性です。それは、感覚過敏やネガティブ思考、白黒思考にこだわりなどの様々な特性が絡まっているせいで、どんなにいい話し方をしても、そもそも人の話を聞けないという人は少なくないのです。特性は、一筋縄ではいかないのが普通と思った方がいいように思います。
何度も同じ間違いには、ユーモアで対処

「ごめん。 次は気をつけるから、お願い!」
とムスメはよく言いますが、必ず繰り返します。なので、私も



「そう言って、どうせまた人にやらせるんでしょ! 何回目よ? 今回だけだからね! 特別だからね! 今度頼んできたら、ご飯ね」
と、冗談混じりに釘を打つようにしています。
初めは私の言うことを言葉通り取り、険しい顔をしていたムスメも何度も繰り返すと、冗談が分かってきて、そのうち自分でやるようになったりするので、余裕のある時は出来るだけユーモアで返すようにしています。これは、学校の支援の時も同じで、彼らは失敗を笑いにする練習も必要なのだと思います。
睡眠過多型
沢山寝ることは悪いことではありませんが、やはり程度というものがあります。
起こしても起きない、起こせば不機嫌。本人に任せて放っておくと、とんでもなく勝手な生活リズムを刻み始めるので、彼女を起こすことも起こさないことも私にとっては頭の痛い問題でした。
家族一緒に朝食をとることは、とうの昔に諦めました。朝食をとった方がいいのは、常識ですが、本人が食べたくないのですから、自己責任と割り切るようにしています。
それでも、一日中寝ていられてると、私の負担が大きくなるので、午前中には起きるよう声をかけたり、起きてこない場合は(彼女の苦手な)食事当番と決めて起きれるようにしたり、試行錯誤を繰り返しながら生活リズムを整えられるよう手助けしてきました。
けれど、もう大学生、



「これからは規則正しい生活を送れるよう自分で考えて行動してね」



「分かった」
で、黙って見守ることを決めたのでした。
すると、どうなったかというと、そこはなんでも極端な発達障害。
結果はまたしても、私の想像を遥かに超えてきたのでした。
睡眠時間は14〜16時間
高校の時は、良かったのです。世間体を気にするムスメは、授業がある日は、なんとか自分で起きるのです。週5日、大体朝の7時半から8時くらいには起きていました。自分で選んだ学校ですから、一度決めたら真面目に行くタイプでした。
4月から大学生になり、朝から対面授業がある日が週2日しかなくなり、その2日は自分で起きていましたが、残りの5日はほぼ毎日決まって午後まで眠るようになったのです。
深夜12時頃に寝て、翌日の14時から16時の間に起きるという、ある意味決まった生活リズムを刻み始めたのです。
夕方16時に起きてきた時は、さすがに



「寝過ぎじゃない!?」
と言いましたが、どうするかは本人に任せ、黙って様子をみていました。
初めのうちは目覚ましをかけていましたが、それも聞き流すようになり、そのうち目覚ましもかけなくなり、起きる時間は決めず、目が覚めたら起きるというスタイルを取り始めたのです。
こうなると、食事もろくに取らなくなりました。
起きてすぐはお腹が空かない人なので、食事の時間も毎日バラバラで、1食か2食しか食べなくなり、起きてからも自分の部屋に閉じこもったまま一歩も外に出なくなりました。
一応、本人も「まずい」と思うそうですが、「じゃあ、こうしよう!」にはならない。全てが場当たり的。毎日14〜16時間寝て、まずいと思いながら自分で解決策が出せないのでした。
因みに調べると、中高生の理想の睡眠時間は8〜10時間、大学生の理想はなんと7時間だそう。ロングスリーパーと呼ばれる人もいるらしいのですが、それでも12時間くらいの人をそう呼ぶそうですから、14〜16時間寝てるムスメはナマケモノに近い。もはや人間ではないって話です。
発達障害の人は疲れやすい人が多く、確かにムスメもすぐ疲れて、よく寝ます。けれど、それだけ寝ているのに、いつも目覚めが悪く、本人曰く「今まで生きてきて、一度もスッキリ目覚めたことがない」と言うのです。
小さい頃からそうだった
ムスメの睡眠問題は今に始まったことではなく、常に悩みの種でした。
幼児の頃はほとんどお昼寝をせず、珍しく寝たかと思うと今度は起きない。起こせば怒り出し、何時間も機嫌の悪い状態になり、相手をすると何もできなくなっていたなんてことはしょっちゅうでした。
昼寝をすると、2〜3時間は寝て、そうなると当然夜眠れなり、翌朝に影響して悪循環にハマる。思い出すのも恐ろしい子供時代。それを私一人で相手をしていたのですから、心身ぼろぼろになって当然でした。
生活習慣の基本「早寝、早起き、朝ごはん」をさせようとすると火の粉が飛んできました。勿論、成功することもありましたが、その為の労力といったらなかったのです。『なんでこんな当たり前のことができないの!?』と思っていました。
夫に相談すると



「なんで、オレにそんな話をするの? オレは働いてるんですよ。分かりますか?」



「私が働いてないって、言いたいの?」



「そんなことは一言も言ってない。 勝手に作るな!」



「作ってなんかない。 そういう意味のことを言ってるのは、あなたでしょ? 何言ってんの?」
という会話になりました。
モトオは義字通りにしか取れない、自分や相手の発言の意図が分からない、などいろいろあり過ぎて、実は会話ができない人だったのです。
睡眠問題から発達障害へ繋がった
眠りに何か異常があると思っていた私が眠りの問題を調べていると、行き着いたのは発達障害でした。医療に繋がった時は、真っ先に眠りについて聞きましたが、その時は、調べもせずに薬(気持ちを落ち着かせる漢方やら注意欠陥の薬)を出されて終わり。説明も何もありませんでした。
医療につなげた方がいいと思うレベル
そして大学生になった今、本人の努力や私がどうこうできる問題ではないことが分かったので、また医療に繋げることにしました。
ムスメにそのことを話すと以前飲んだ薬に副作用があったので嫌がりましたが、そういう話を含め、今度は睡眠専門のところで診てもらおうと話すと、行く気になってくれました。
ムスメは昔から沢山夢を見る人で、しかもほとんどが悪夢らしく、追われてたり、銃で撃たれたり、外面のいいモトオが優しい父親として出てきたりするそうで、寝ているのに夢で疲れるそうです。
夢を沢山見るということは、よく眠れていないのでは?と人から言われて、それはそうだと私も睡眠に特化したクリニックを探してみることにしたのでした。


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