ムスメの発達検査にまつわるいろいろ④

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ウィスクIV、結果説明@発達支援センター


初めてのウィスクIV。検査では、知能指数( I Q)と言語理解、知覚推理、ワーキングメモリー、処理速度がそれぞれ数値で示されるので、得意と不得意が分かります。

ムスメは小6だったので、個別で結果説明をしてもらうことを希望しました。

この頃のムスメは、思春期で私の言うことを頑として聞かないのに、幼さから癇癪を起こすので話が出来ませんでしたし、夫同様、外の顔はいいので、他人から言われた方が、冷静に聞けるだろうと思ったからです。

そして、この選択は当たりでした。

後でムスメがもらったプリントを見せてもらいましたが、子供にも分かりやすい言葉で書かれていて、説明も分かりやすかったそうです。

何よりもそれまで、人よりできないと一人苦しんでいたことに理由があったと知らされ、人に理解されたことが嬉しかったようでした。

テストを受けるムスメの様子

説明は、テストの時と同じ臨床心理士さんが、子供がどういう様子でテストを進めていたかということと、その様子から分かることを教えてくれました。

ムスメは、テスト中、時間をまったく気にすることなく、ゆっくり慎重に、納得するまで1つ1つに時間をかけて答えを選んでいたそうです

その様子から、文章を理解するのに掛かる時間やこだわりの強さなどがうかがえるそうで、ムスメはかなり慎重派で完璧主義に繋がるこだわりが強いと言われました。

普段のムスメは、まったくその通りで、そういう訳だったのかと分かりました。

彼女はとにかく何をするにも遅いので、私はいつも急かしてばかりいましたが、意味がなかったどころか、逆に焦らせて悪化させていた事を知りました。

WISC-IVの検査結果は、能力の低いところにサポートや工夫が必要だということを示し、それまで叱ってしまっていたのは間違いだったということを教えてくれました。

臨床心理士の何気ない?一言に地味にやられる

この「残念」のせいで、説明に集中するのが大変だった。


けれど、私は意外にもここで、心理士さんからアッパーパンチを食らいます。

席に着くなり、開口一番の言葉がこれでした。

「残念でしたね。 I Qは普通でした。」

私がポカンとしていると、こう続けてきたのですが、まるで同僚にでも話すような軽い感じに頭の中はかなり動揺していました。

「I Qが高いとギフティドって言って、天才ちゃんだったりするんですけどね。 ムスメちゃんは違ったので、残念でした。」

ややこ

『え! 残念!? I Q普通fだと、残念なの? なんか馬鹿にされてるようにも聞こえるんだけど、気のせい? でもこれ、言う必要ある? なんかおかしくない?』

などなど。お陰で、全然集中して聞けませんでした。

この心理士さん、感じは良かったのですが、それまでの相談でも、私のことを名前ではなく、ずっと「お母さん、お母さん」と連呼してきたり、「ムスメちゃんは、うちの娘とそっくり!だから、大丈夫!」など、よく分からない事を言ってきたり。とにかく、主観的な発言が多い心理士さんで、今思うと強烈な洗礼を受けたんだなあと思います。

I Qは、高ければいいってもんじゃない


この時のムスメの知能指数(I Q)は平均のジャスト100でした。知的障害(I Q70以下)だったり、境界知能(I Q70-84)だったりしたら、もっと大変だったとも思えるけど、支援が受けられる点ではいいとも思える。

平均ということは、支援は受けられず、天才でもないので、やはりこの心理士さんが言うように、普通のI Qは残念なのかもしれないと、いろいろ考えさせられましたが、どの道も簡単ではなく、きっと正解はないのだと思います。

学校で子供たちを支援していると、I Qの高さなんかより、素直さや性格の良さなどの方が、はるかに大事に思えることがあったりします。I Qが高くて、頭のいい子は確かにその能力で可能性は広がるのは確かですが、皆それでうまくいくかと言ったら、そうとは言えず、こればかりは一概には言えないのです。

検査から分かる、難しい子だったワケ


ムスメは、やはりワーキングメモリの短期記憶や聞き取りや情報処理能力が、平均より下回っていて、これだと一度言われただけでは、分からないというのも納得の結果でした。

母親を始めて12年になろうとしていましたが、実はムスメのことを何も知らなかったことが分かり、衝撃でした。

彼女が家でしょっちゅう怒っていたのも、誰にも理解してもらえず、自分でも分からないけど、なんだか出来ない。そして、叱られるから怒るしかなかったと今は理解できます。

私はよく話を聞き逃すムスメに、

「さっきも言ったよ! また、ぼおっとしてたんじゃないの? 人の話はちゃんと聞くこと!」

なんて、しょっちゅう言っちゃってましたからね。可哀想なことをしたと反省しました。

実際、彼女は時間の感覚がないので、いつもぼおっとしてしまうのは、事実と言ったら事実なんですけど、叱ってはいけなかった。

家に帰ってから、その話を改めてムスメと話し、それまでの私の誤った言動を誤りました。

私の話をじっと聞いたり、ゆっくりだけど落ち着いて話したりするムスメの話を聞いていると、なんだか初めてムスメと話ができたような気がして嬉しかったと同時に、それまで一人闇雲に苦労してきた過去の思いも込み上げてきて涙がこぼれました。

そして、分かったもう一つの火種


普通ならこれで、家族がうまくいくようになる、はずでしたが、うちにはもう一人、実はもっと根深い問題を抱えた人がいたのでした。

発達支援センターで大事な説明を一緒に聞いた夫は、説明が終わるとそこからそのまま仕事に向かったので、その後のムスメとの話し合いの時もいませんでした。

もちろん、仕事だから仕方ないと思い、後でどんな話をしたかを伝え、これからの対応の仕方なども話しましたが、彼の反応はいつも通り今ひとつで、協力してもらえる感じがありませんでした。

説明を受けている時も、『自分にも思い当たる!』と、彼がいつ気づくかとドキドキしながら様子を伺っていましたが、まったく気づかないようだったので、不思議でなりませんでした。

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