コミュニケーションが難しい理由1(後編)

キンパの種類の話の続きです。

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聞き返されると怒る

会話が苦手と分かっていても、話しをする度に怒り出されるのは、かなりストレスです。

人の言ったことが、よく聞こえなかったり、分からなかったりした場合、聞き返すのは普通ですが、ムスメは聞き返されると、なぜか怒るのでした。

聞こえなかったから、もう一度言ってって、言ってるだけでしょ? 

ムスメ

。。。

なんで言わないの? 言ってくれないと分かんないし、ここで黙ってるってことは、怒って無視してるのと同じなんだよ。 怒ってるの?

ムスメ

。。。

怒る理由がまったく分かりませんでしたから、私も怒った口調になってしまうのです。教えてと言っているだけなのに、怒った顔してますから当然です。

それでも、根気強く静かに待っていると(以前の私は感情的になっていたので、これができずに悪循環にハマっていました)、この日はムスメが、ぽつりぽつりと話してくれました。

ムスメ

質問に質問で返してくるのは、やめて! 

聞かれても、自分がなんて言ったかなんて、言葉を覚えてないから困る。 言葉が消えるんだってば。 短期(記憶)が、ほんとに苦手なんだって。


つまり『会話の内容がすぐ理解できず、言葉が返せない』ムスメの状態が、私から見ると『怒って、威張っている人』に見えていたのです。

実際、怒った顔をしているので仕方ないのですが、困っている人に見えないのは問題でした。

更にムスメの場合、見た目が怒っているだけでなく、人に伝わりにくい自分の話し方(声が小さいや滑舌の悪さ)を棚に上げて、人を責める癖があり、こんなことを言ってしまうのです。

前編でも上げた「人の話聞いてんの?」と言ってしまうのと似ています。

ムスメ

聞き返してくるのは、ママが人の話を聞いてないからでしょ!

「言葉が消える」という告白には耳を傾けますが、すぐ人のせいにしてくるところは直さなければいけません。

ただ彼女が自分の状態を言葉にできたのは今回初めてだったで、それは嬉しい一歩でした。

会話は苦手。だけど、解決するにはやっぱり会話しかない

人は皆違うので、意見の違いがあるのは当たり前ですが、ムスメがそこを理解して受け入れるのは難しいようでした。

人は会話によってお互いを尊重したり、揉《も》めたりして、認め合うことができるのですが、そのやりとりはムスメにとっては、かなり高度なやりとりでした。

こうしたらいい、という簡単明快な解決方法がないのです。

ムスメには、あるはずの共通認識や常識がなかったり、相手の言動に過敏に反応たり、批判されることを恐れて逆ギレしたり、自分の問題を人のせいにしたり、そして何よりそれらが自分に当てはまっていることが自分で分からない、ときますから、もう大変です。

しかも発達の特性のある人は、思考の癖が強いので、本人が納得して動かない限り、状況を変えることは難しいのです。

だからと言って、サポートする家族が一方的に我慢するのは間違いだと思っていますから、譲れないものは譲れないとはっきりと言うようにしています。

ムスメにとって会話がストレスなのは間違いないので、無理強いは禁物ですが、家族も自分を守るため適度に距離を取り、特性を理解した上での静かな話し合いができるといいなと思っています。

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