コミュニケーションが難しい理由1(前編)

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キンパで口論に ーすぐ怒るムスメ

韓国風のり巻き、キンパ をご存知ですか。

私が初めてキンパと出会ったのは、ムスメのクラスメイトの韓国人のお母さんから手作りのキンパをいただいた時でした。ごま風味で、たくわんや焼肉なんかが入ってて、とても新鮮で美味しかったのです。

ある日、キンパの専門店を見つけたので買って帰ると、ムスメにこう聞かれました。

ムスメ

キンパって、一種類なの?

キンパを買ったのは初めてですから、詳しいことは私も知りません。

真っ先に思い浮かんだのは、お店に並んでいた具材の種類。でも、キンパの種類と聞かれたので、『日本の細巻や太巻きみたいな種類のこと?』と思い、確認しました。

ややこ

キンパの種類…   日本ののり巻きみたいに種類はないと思うけど、具だったら色々あったよ。 具のこと?

すると、ムスメが、急に浮かない顔をして黙り込んだのです。

その様子を見た私は、すぐに具のことではないと思い、慌てて言い直しました。

ややこ

えっ、具じゃないの? 形だったら日本の細巻みたいなのはなくて、全部この太巻だったから、そういう意味では一種類なんじゃない?

ムスメ

。。。形なんて言ってない! 
そもそも細巻や太巻なんて、あるの知らないし!

ややこ

えっでも、具でもないんだよね? じゃあ、何のこと言ってるの?

すると、また黙ってしまったので、私は何がなんだか分からなくなりました。

そんなつもりはなくても怒りで人を責めている図

怒りの真相

実は『種類と言えば、具しかない』と、ムスメが思い込んでいたところに、

私が彼女の知らない形の話を出したので、混乱して返事ができなかったと言うのです。

私の話のテンポが、ムスメには早いというのもありました。

この時ムスメは高3で、私は発達障害に詳しくなっていると思っていましたが、実はまだまだ分かっていなかったのです。

なので、そこに至るまでの会話もこんな感じで、要領を得ていませんでした。

ムスメ

専門店が分かんないから、分かる訳ない!

ややこ

え、専門店を知らないはずないよ、行ってるんだから。
〇〇のお店も〇〇のお店も専門店で、行ったことあるでしょ?

ムスメ

どの店も知らない!

ややこ

ええっ!そんな訳ないでしょ。知ってるって。一緒に行ったじゃん

ムスメ

知らないって、言ってるじゃん! 人の話聞いてる?

は!?

こんな具合に、キンパの種類が何のことか分からないので、もっと情報を引き出そうと話をすると、今度は専門店という言葉が分からなくて『そんな訳ないでしょ!?』となり、話というより、もはや連想ゲームのようになって、主旨がどんどんズレていくのです。

ただの会話がことごとく言い争いになるのですから、溜まったものではありません。

要は、私が思っている以上に、ムスメはうまく言葉にできないし、理解にも時間がかかる

おまけに、過去のこともあまり覚えていなかったりするので、イライラしてしてしまうのでした

特性だからで人はなんでも許せない

本人も大変だとは思いますが、彼女の頭の中がそうなってるなんて、私には分かりません。

人は怒っている人に対して、対立したくなければ腫れ物に触るように接してしまう為、

普通に放っておいてしまうと、それがまた勘違いの基《もと》になって良くないのです。

苦手と言っても話さなければ分からないので、サポートする側は気を使いつつ、

話を引き出そうと努力しているのに、ムスメはそんな相手に、マウントを取るかのように偉そうにしてくることがよくあります。

ムスメが言った「人の話聞いてる?」もそれで、要らない一言です。

しかもほとんどの話が、このキンパのようにつまらないことなので、私などは沈着冷静でいられなくなりますが、そんな時は距離を置いて、ほどほどを目指すようにしています。

この時の会話では、私は何より彼女がこういった過去のことも覚えていないということが、地味にショックでした。

そして、その特性を知らないが故に『知らないわけがない』と強く追求してしまっていたことを知りました。

本人にはどうしようもないことだと今は理解できますが、怒りのコントロールは、なんとかしなければいけない彼女の課題だと思っています。

過去のことを覚えていない件で補足しておくと、

ムスメはこんな感じなのでまったく覚えていないかと思っていると、時々私が覚えていないような細かいことを覚えていたりする事があって驚かされますから、本人の認知の為、経験を増やす為にも、できる範囲でいいと思いますが、会話に参加する努力は大事だと思います。

ぶっきらぼうな話し方で会話を一刀両断

人は、話しているうちに思い出すこともあるので、相手が覚えていないと言っても、話しを続けたりしますが、我が家の人達はどんなに話しても、覚えていないものは思い出すことができないので、ストレスに感じるようでした。

なので、ちょっとでも長く話をすると、

ムスメ

それ、まだ話すの? いつまで話すの?

と、ぶっきらぼうに言って、会話を一刀両断してくるのは問題でした。

このセリフをぶっきらぼうに言うと「つまらない話をいつまでもしてるんじゃない! 黙れ!」というような裏の意味に聞こえるのですが、我が家のふたりは、義字通りの人達なので、まるで分かっていないのです。

そうだと教えても、人の表情や言い方の違いが分からないので、

ムスメ

私はそんなことは言っていない! ママが勝手に作って言ってる。

と怒ってしまうので、これは経験値をあげていくしかないと思っています。

苦手な会話も場数を増やして経験を蓄積していく。それしかないのです。

分からない時は素直に接して、その説明を周りの人にしてもらえるような環境を自分で作れるといいなとも思っています。

後編に続く。

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