睡眠障害と発達障害②

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睡眠障害に特化したメンタルクリニックに行ってみた

ムスメの睡眠時間の長さが度を越していることで、睡眠障害に特化したメンタルクリニックを見つけ、大学に入ったタイミングで昨年6月から通い始めました。

7月には、お高い睡眠検査を受け、1日かけて睡眠中の脳波などを調べたりしたそうです。

いつでもどこでも眠れるはずのムスメはなぜか検査中は眠れず、終わってから物凄い睡魔に襲われ『検査するなら今して欲しい!』と思ったそうです。

そんな眠れない状況下で検査した睡眠検査の結果は、特に異常はなく、発達障害の人の中には長時間睡眠が必要な人がいて、ムスメは単にそういう人だということでした。

そして、医者から言われたのは、

ムスメさんは、かなり普通ですよ

でした。いつもどう捉えていいのか悩む一言です。

安心させようとして言ってくれているのか、それともかなり普通な娘を連れてきてる私が過敏だと言いたいのか。後者だとすると、すべて私の妄想となるので、ムスメは放っておいても問題がないことになるが、実際そうではない。聞き飽きたセリフに、「そうですかぁ」としか答えられませんでした。

実際、問題がないわけではないが、今は何も問題になっていない。つまり、私にできることはあまりないということでした。

「ただ、これだと社会生活に支障が起きるだろうから、希望があれば起きたい時間に目が覚めやすくする薬を出すことはできるけど、大学の生活スタイルだと今そんなに起きなきゃいけない状況でもなさそうだから、どうする?」

という先生の問いに、私はなんだか拍子抜けしてしまいました。

睡眠のプロですから、もっと発達障害の人に分かりやすく「生活リズムを整えるっていうことはね」というところから、具体的な改善方法を説明してくれることを期待していたからです。

なんとも言えない普通過ぎる問いに、ムスメは

ムスメ

「起きれるようになりたいので」

と答え、そこからずっと睡眠記録をつけ、2ヶ月に一度くらいの通院を続けています。

ASDのムスメは基本真面目で、自ら怠惰な道を選ぼうとはしないので、そう言うだろうとは思いましたが、家で真逆な様子ばかり見せられている私には新鮮に聞こえました。

目覚めやすくするという薬の効果は

調べるとADHDの特性に出される薬らしいですが、ムスメ曰く、副作用はなく、目覚めは

ムスメ

「なんとなくいいような気がする」

でした。

その後も相変わらずたっぷり寝て、起きる時間もバラバラという睡眠記録を見てもらいながら、若干心もとない先生の元、通っています。

リアルな実態

実は、ムスメは自分の状況を説明したり、説明を聞いたりするのが苦手なので、一人の受診はどうかと思っていたのですが、先生が「娘さん一人で大丈夫よ」と言うので、一人で通わせています。

けれど、私はどうなんだろう?と思ってしまう。 最後の受診は、長い春休みに入る前の1月下旬で、医者とのやり取りは、こんな感じだったらしい。

「休み中は、どうする? ゆっくり休む?」

ムスメ

「いや、それだと学校が始まった時、起きれなくなるので」

「それなら、今まで通りってことで」

とその医者が言ったかどうかは分かりませんが、ムスメが言うには、そんな感じだったくらいしか分からないのです。はっきりしているのは、変わりなくっていうのが、何をどうして生活するものなのか、具体的な話はない、なんとも日本的な話をされて帰ってきたのでした。腑に落ちない私が、

ややこ

「じゃあ、休み中は、好きなだけ寝るんじゃなくて、生活リズムを整えるってことね? いいんじゃない。 で、何時に起きるの?」

と聞くと、確か「10時」とかなんとか答えていたような気がします。気がするというのは、その後その時間にはあまり起きていなかったから。

起きる気持ちがあると言いつつ、つい最近まで寝る時間も起きる時間も決めずにいたので、当たり前の結果として、好きなだけ寝ることになっていたのでした。

発達障害と睡眠の本に出会う

そんな中、以前私が受けたペアトレから、うっすら繋がっている 就労移行の支援などをしている Kaien の Youtube動画で、鈴木さんがこの本を紹介していたので、早速読んでみると、発達障害と睡眠障害の深い関係が分かりやすく詳しく載っていて、オススメでした。
それがこの本。

子どもの発達障害がよくなる睡眠の教科書」渥美正彦著 マキノ出版

昨年12月発刊で、問題説明だけじゃなく、睡眠を整えると発達障害の困りごとが改善される提案がたくさんありますから、試してみたくなる内容です。

関係があることはずっと前から感じていましたが、問題はその睡眠を整えるのが難しいので困っていましたが、こうして専門家が本を出してくれたことは有り難いと思いました。

ASDの人は、そもそも体内時計を24時間に合わせにくい特色を持っているらしく、その根拠となるデータや体内時計を合わせるための実践方法がいろいろ示されています。

生活リズムを整えるための実践いろいろ・試してみて

いろいろあるうち、ムスメには「1日10分づつ早めていって、起きたい時間に起きられるようにする」と「起きたら太陽の光を浴びる」と「朝食をとる」など、当たり前だけど、無理と思っていたことを改めて提案し、やってみてもらいました。

今のところ、私が提案してから、朝食はこの休み中に1、2回食べたでしょうか。ムスメに言ったら「いや、3、4回はある」とか言いそうですが(笑)。

起きたら日光を浴びるというのは、しばらく自分からベランダに出てやっていましたが、そのうち私が言ってもやらなくなり、今はもうやっていません。

1日10分づつ起きる時間を早めるは、スタートが11時で目標を9時としましたが、そこからもう3週間以上経ちますが、10時10分で止まっています。

ですが、これが毎日続かない。時々起きてくるのはいいですが、そこからトイレと顔を洗うのに2時間、パジャマを着替えるのに更に1時間掛かります。

先日は、頭が痛いと言って、今月4回しか入っていないバイトを休み、17時過ぎまで寝ていました。実戦で頑張ってる反動かとも思いましたが、お昼近くまで寝ていることもよくあったので、やはり長時間の睡眠が必要なのでしょう。

最近、よく寝る他に、毎日のように下痢になると言うので、もしかしたら小学校の時からずっと続く新学年に対する不安が絡んでいるのかもしれないと長年の経験から当たりをつけています。

出来ること、出来ないこといろいろありますが、自分の体をよく知り、自分に良いことを意識のどこかに止めておいてもらえればと思います。

特性上、当てはまることだらけ

ムスメ

意外なところで、ムスメに当てはまっていたのは鉄分不足でした。鉄分と集中力が関係していることは知りませんでしたが、実際、ムスメは中学の頃、血液検査で鉄分が激しく欠乏していたことがあり、それからずっと鉄分補給は欠かさないようにしていました。生理が始まると見てわかるほど血の気がなく怖いくらいです。

それと、彼女には昔から強い「先送り行動」があり、特に学校の宿題では散々泣かされてきましたが、これがADHDの特性だということは知りませんでした。

彼女の診断はASDですが、やはりADHDとLDの特性も併せ持っていると改めて知れました。

実際、宿題のことを学校に相談したことは何度もありましたが、根拠も何もなかったので、スルーされてきましたが、知っていたら、もっと工夫できただろうと思いました。知らないことで、私もムスメも長時間かけてバトルしながら頑張るしかなかった当時が本当に悔やまれます。

モトオ

モトオに当てはまることも多く、睡眠時無呼吸症候群でいびきが酷かったので、医者に行った方がいいと話したこと、むずむず脚症候群(これも鉄不足らしい)で夜中に脚がずっと動いてるのを指摘しても信じないので、ビデオを撮って見せるもなし崩しにされたなど、読んでいると、そんなこともあったと思い出しました。

彼は私の意見を攻撃と捉えていましたから、まともに向き合えたことがなく、無駄な問答をしたと思いますが、そういう人もいるということで、最近はいい経験をしたと思えるくらいになってきました。

心の持ちよう

この本のいいところは、最後に親に対して、実践させようとして苦手なことに時間をかけ過ぎたり、たまたま出来たからといって期待し過ぎたりしないようにと言っているところだと思いました。親はなんとかしたくて必死になりがちですから。

ムスメのように二十歳前ともなると、その通りで、諦めが肝心です。本に書いてあることは、私には過去に経験してきたことの方が多く、今となってはと、つい遠い目になってしまいますが、睡眠問題は発達障害の特性の根本問題でもあるということが再確認でき、難しいこともよく分かりました。

私に言わせれば、クリニックに行くより、この本の方がよっぽどインフォーマティブで為になると思いますが、ムスメの通いたいという気持ちがあるので通院は続け、私は私で情報を集めつつ、静かに見守ろうと思っています。

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