発達あるある睡眠問題
振り返ると、ムスメは赤ちゃんの頃から眠りに問題のある子でした。朝起きれない彼女を起こすのは、私の日課でしたが、起こしてあげているのに感謝どころか逆ギレされるの連続で、朝から本当に気分を悪くさせられていました。
でも、これがおかしいのです。小さい頃から続いているので、親は麻痺させられるのですが、そんなことが許されるのは遅くとも小1くらいまでで、それ以降、起きれないのは自分の責任としなければいけなかったのです。起こしてもらっている親に逆ギレなんて、とんでもないことです。発達障害と分からないとなかなか難しいかもしれませんが。発達だったら余計、自分の行動を分からせないといけないのです。我が家はモトオという別の問題もあったので、ムスメへの対応が遅れましたが、昨年から大学生になったのを機に、私は朝起こすのを止めることにしたのでした。
発達障害には普通の常識が通じない、普通よりも丁寧に教えなければ分からないことなどが分かってからは、私自身の関わり方を考えるようになりました。
結局、ムスメの朝起きれない問題も努力でなんとかできることではなく、本人も困っているのですが、だからといって、そのまま寝られても困りますから、どうしたら巻き込まれずに、改善できるかを考えるに尽きるのだと思います。
起こすことで生まれていた弊害
朝起こして、朝ごはんを食べさせ、学校に送り出す。子供が小さいうち低学年くらいまでは、大変ですが、一人でできるようになるよう手伝ったり、やってあげたりするのが親の役目ですが、発達障害があると、これがいつまで経っても一人でできるようにならないのです。
小学校で支援していると、その発達の差は歴然としたものがあります。一人でできるよう励まし促すと一年生でも一人でやろうとするようにどんどん変わっていくものですが、特性が関わってそうな子は同じようにしても、いつまで経ってもできなかったり、やろうとしなかったりするので、周りからどんどん遅れるようになっていくのです。
そういう子は、お家ではもっと甘えるでしょうから、やはり鍵は家での親の対応も学校でのそれと変わらない感じにできたらいいのではないかと個人的には思っています。そうでもないと、うちのように内と外という激しい二面性を育てることになって、本人も苦しむことになる訳ですから。
私が何もしなければ、それこそ、いくらでも寝るムスメですから、何がなんでも起こして、学校に送り出していました。でないと、私も仕事ができなくなるので必死でした。
けれど、ムスメはいつまで経っても、まるで小さい子供のように自分が一人で起きれないことを棚に上げ、起こされると不機嫌を振りまき、なんでもかんでも母親のせいにしてくる超わがままなムスメになっていきました。
家族に対する過剰な甘えですが、これは、夫だったモトオもまったく同じで、私は『大きな二人の子供』の子守りを知らぬ間にずっとさせられていたのでした。
二人は、親や家族なら、なんでも許されると思い込んでいる節がありました。つまり、こちらから断ち切らないと、いつまでも小さい子供のように甘えてくるということだったのです。
その頃、発達の人には「丁寧に、でも短く物事を教えてあげるとよい」と、本に書いてあったので実践していましたが、この身内への甘えというものが、どの本にも載っていないので、かなり苦労したところと思っています。結局、医者も支援者も24時間関わるわけではないので、家族の苦労が分かっていない関係者は多いのです。
他にも感覚過敏やネガティブ思考、白黒思考に強いこだわりなど、他人がどうこうできるものではない特性がいろいろ絡まっている人たちですから、どんなにこちらが努力しても、身内というだけで、聞かなくなったり、横柄になったりする人もいますから、家族だからといはあまり頑張らず、大いに外の人に任せるのが一番と私は思っています。
完全見守り宣言
沢山寝ることは悪いことではありませんが、やはり何にでも程度というものがあります。
起こしても起きない、起こせば不機嫌。本人に任せて放っておくと、とんでもない生活リズムを刻み出す。彼女を起こすのも起こさないのも、私にとっては頭の痛い問題でした。
家族一緒に朝食をとることは、とうの昔に諦めました。朝食を食べないのは何かと悪影響があるのですが、本人が食べられないと言うのですから、自己責任です。それで、頭が働かない、体が動かないのは当たり前と言って、割り切ることにしました。
それでも、一日中寝ていられると、私はモトオと暮らしていた時のように完全家政婦になってしまうので、できるだけ午前中には起きてもらうよう声をかけ、起きてこない場合は、夕食作りをしてもらうなどにしていました。
そんな試行錯誤を繰り返す中、大学生になったので、言ってみました。
「これからは規則正しい生活を送れるように、朝起きる時間も自分で考えて行動してね。 ママは、これから起こさないし、何も言わないことにするから。」
「分かった」
私は完全に見守りに徹することを決めたのですが。。。
結果はまたしても、私の想像を遥かに超えてきたのでした。
睡眠時間は14〜16時間
高校の時は毎日授業があったので、世間体を気にするムスメは、週5日、大体朝の7時半から8時くらいには起きて行っていました。もちろん、声がけをしていましたが、学校にはすんなり起きて、電車の遅滞がなければ無遅刻無欠席でした。一度決めたら真面目に行くタイプで、自分で選んだ学校というのも大事なポイントなのだと思います。
ですが、大学生になると、朝から対面授業がある日が週にたったの2日しかなくなり、その2日は自分で起きますが、残りの5日はほぼ毎日決まって午後まで眠るようになったのです。
深夜12時頃に寝て、翌日は14時から16時の間に起きるという、ある意味決まった生活リズムで、たっぷり眠るようになりました。
夕方16時過ぎに起きてきた時は、さすがに
「寝過ぎじゃない!?」
と言いましたが、口出ししないと決めたので、黙って様子をみました。
初めのうちは目覚ましをかけていましたが、それも聞き流すようになり、そのうち目覚ましもかけなくなり、起きる時間は決めてなくなり、目が覚めた時が起きる時間というとんでもないスタイルになっていったのでした。
こうなると、もちろん食事もろくに取らなくなりました。
起きてすぐは、お腹が空かない人なので、食事の時間も毎日バラバラ。1日1食か2食になり、起きてからも自分の部屋にこもったまま1日中一歩も外に出なくなりました。
一応、本人も「まずい」と思うそうですが、特製のある人は「じゃあ、こうしよう!」にはならないのです。そういう頭がないというか、すべてが場当たり的で、毎日14〜16時間寝て、まずいと思いながら自分で解決策が出せないとなっていったのでした。
因みに調べると、中高生の理想の睡眠時間は8〜10時間、大学生の理想はなんと7時間だそうです。ロングスリーパーと呼ばれる人でも12時間くらいの人をそう呼ぶそうですから、14〜16時間寝てるムスメは、もはや動物のナマケモノと同レベルなのでした。
発達障害の人は疲れやすい人が多く、確かにムスメもすぐに疲れてよく寝ます。けれど、それだけ寝ているのに、いつも目覚めが悪く、本人曰く「今まで生きてきて、一度もスッキリ目覚めたことがない」と言うのでした。
小さい頃から
幼児の頃、ムスメはほとんどお昼寝をしない子供で、珍しく寝たかと思うと今度は起きない子でした。起こせば怒り出し、何時間も機嫌の悪い状態になり、相手をすると私は何もできなくなりました。
昼寝は2〜3時間寝るので、そうなると当然夜眠れなり、翌朝に影響して悪循環にハマる。思い出すのも恐ろしい彼女の幼少時代。それを私一人で相手をしていたのですから、心身共にぼろぼろになるのは当たり前でした。
生活習慣の基本「早寝、早起き、朝ごはん」をさせようとすると火の粉が飛んできて、その労力といったら『なんでこんな当たり前のことができないの!?』の連続だったのです。
協力者であるはずの夫も実は
ムスメのことを相談すると、返ってくるのは、こんなトンチンカンな言葉でした。
「なんで、オレにそんな話をするの? オレは働いてるんですよ。
分かりますか?」
「そんな話って!? ムスメの話だよ。 あなたも親でしょ?
それに働いてるから何なの? 私が働いてないって、言いたいの?」
「そんなことは一言も言ってない。 勝手に作るな!」
「作ってなんかない。 そういう意味のことを言ってるのは、あなたでしょ? 何言ってんの?」
と、会話はいつも成り立たなかったのです。ムスメの対応で疲れ果て、夫に助けを求めて相談すればこうですから、気が狂いそうになりました。実は我が家には、話が出来る人がいなかったのですが、そんなことは知りませんでしたから、悲劇でしかありません。
実は彼も発達障害だったわけで、ムスメどころではなかったのでした。彼は相手の意図はもちろん、会話をする意味すら分かっていない人でしたから、通じるわけがなかったのです。
この頃、私は夫は仕事が出来て、外ではちゃんとやっていると思っていましたから、まさか会話ができないとは思いもしなかったのです。まあ発達障害が分からないとそう考えるのは普通でしょう。
ムスメの睡眠問題から発達障害へ繋がった
私がムスメの眠りの問題を調べていると、行き着いたのは発達障害でした。医療に繋がった時は、真っ先に眠りについて聞きましたが、その時の医者はまったく調べもせず、気持ちを落ち着かせる漢方やら注意欠陥の薬を出して終わりで、説明すらしてくれませんでした。医者も知識がなかったのでしょう。今はどうか分かりませんが、当時は診てもらうだけで3〜4ヶ月待つのは当たり前。診察時間も短く、診てもらえるだけでラッキーという感じで、医者に言われるまま、そこにすがるしか道はありませんでした。
知識のある医者に繋げる
そして大学生になった今、それまで医者から取り上げられもしなかった彼女の睡眠問題は、日常生活を送る上で、いよいよ問題になっていきました。もうこれは、本人の努力や私がどうこうできる問題ではないことが分かり、また医療に繋げることを考え始めました。
ムスメにそのことを話すと、以前飲んだ薬で日中異常に眠くなったりする副作用があったので嫌がりましたが、今度は睡眠専門の医者を探して診てもらおうと話すと、その気になってくれました。彼女は何かおかしいと思っても、その先を自分で考えられないのです。
思えばムスメは昔から睡眠中、沢山夢を見る人で、しかもほとんどが悪夢と言います。追われたり、銃で撃たれたり、外面のいいモトオが優しい父親として出てきたりするそうで、寝ている間も疲れると言いますから、普通ではありません。
夢を沢山見るということは、よく眠れていないのでは?と人から言われ、それはそうだと私も睡眠に特化したクリニックを真剣に探してみることにしたのです。
睡眠障害と発達障害②につづく。
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