知的のある小2男児を縄で縛った教員の事件
先日、埼玉の学校の支援級の先生が、知的障害のある小2の男児に対して、給食の時に注意しても離席をやめないといって、縄跳びの大縄で椅子に縛ったというニュースがありました。
先生というのが、支援級の男性教諭44歳というのも驚きましたが、なぜこんなことが起こったのか、考える必要があると思いました。
新学年が始まったばかりで、何かと不安を抱えている生徒は多いのに、注意したのにやめないで縛るとは、今までどうやって問題を乗り越えてきたのか不思議です。縛ってどうにかなるものなら、学校のそこら中に縛られた子供が転がっているはずです。
普段、体を張ったり、頭脳戦を繰りひろげたりしている身としては、想像するとニヤッとしてしまいますが、空想の中だけにして欲しいです。そもそも注意したのにやめないなんて、そんなの日常茶飯事ですから、まさか今までもそういうことをしてきたんじゃないかと疑ってしまいます。
更にこの学校、主任が校長に報告したのは当日ではなく翌日で、報告された校長も事実確認も保護者への対応も何もしなかったといいますから、学校の風通しの悪さが伝わってくる事件でした。
日本の独特な学校環境
私が働く学校では、給食時クラスに先生が一人きりになることはないし、生徒を縛ったりしたら、すぐに大騒ぎになりそうですが、学校によっては、隠そうとする学校もあるかもねと思ってしまいます。
というのも、日本には感情的に怒る先生が結構いるからです。残念なことですが、若手からベテランまで年齢関係なくいます。そうやって言うことを聞かせてきたという感じで、人手が足りなくて余裕がないのとは、また違う問題だと思っています。
学校でキレる先生は、モラハラ夫同様、百害あって一利なし。権力だけは握っていますから、手に負えません。
私も生徒たちと一緒につまらないことでよく説教を聞かされましたが、質の低い教育には、うんざりします。
日本の学校はヒエラルキー
私の面接をしてくれた以前の副校長は、学校初日の私に
「今日から、先生ですね!」
と笑顔で接してくれた素敵な先生でしたが、1年で異動してしまいました。今の副校長は、感じはいいものの、どこか見下している感がある先生です。
学校の先生は、なんでもできる優等生タイプが多いせいか、ヒエラルキーが強く、私のような無資格の支援員は底辺の底辺なのでした。
支援員に挨拶をしない先生が、生徒にはちゃんと挨拶するように言っているのを見ると、残念です。挨拶をしない先生を何も言いませんが、子供たちはちゃんと見てますから。
もちろん、人として尊敬できる素敵な先生も沢山いますが、異動が多いので、良い先生はあっという間にいなくなる感じがします。
日本の学校は、規則や先生の支配が強い
そもそも日本には、なぜこんなに感情的に怒る先生がいるのでしょう。
日本の学校は、どちらかというと、昔から学校の規則や先生の支配が強いので、個人より集団で、人間味がないのです。
黒板の真上に教育目標というものが掲げられているのですが、「我慢すること」が真っ先に書かれていたりします。まるで、担任の先生が感情的に怒鳴っても、子供たちは我慢しなければいけないとでも言っているかのようです。
私は無資格のパート支援員で、大学もアメリカですから、ほとんど相手にされないのですが、しがらみがない分、怖いものもありません。担任があまりにも感情に任せて意味なく怒っていた場合、信頼のおける特別支援の先生にすぐ報告したり、管理職向けの日報に詳しく書き残したりしています。
そんな私の話を聞いて改善に努力してくれたのは特別支援の先生でしたが、ついに今年異動になり本当に残念です。
その先生から、時々私の名前を出してもいいかと聞かれると、私はどうぞどうぞと言って、収入にならない話し合いに残ったりしてきました。好きな先生と子供たちのためでしたが、現実は、頑張っても残業代は出ず、時給も低いので、職業としては人気がありません。必要性は高まっているのに、辞めていく人が多いのが現状です。
逆に「いい加減、気づいて」と言いたい
「何回、言ったら分かるの!? さっき言ったよね? ちゃんと聞いてないから、出来ないんだよ!」
担任の先生が何度もこう言って、怒鳴ることがあるのですが、特性のある子にはトラウマになるだけです。
「何回言ったら分かるの!?」
は、過去に私もムスメによく言っていたセリフですが、私は初めての子育てで、発達障害の知識もゼロのど素人でした。そんな過去の私と教育のプロが、同じでは困ります。
発達の子は、聞こえていても情報として頭に入っていないということが、なかなか理解されないのが、歯痒いです。
『聞く気がないんじゃなくて、特性なんですよ!』
と、いつも叫びたくなりますが、こういう先生に老婆心でものを言っても、返ってくるのは
「私はこういう子達を何人も見てきてるので、分かるんですよ!」
というもの。特性のある子もよく人の話を聞きませんが、人の話を聞かない大人も多いのです。
いつも言われる子供の方は、話を聞くと、実は自分がよく聞き逃すことを知っていて、
「よくわかんなくなるんだよね」
と、素直に教えてくれる子供もいたりします。自分がそういう状態だということすら分からず、言葉にできない子供も沢山いますから、「さっきも言ったけどね」や「注意したの、これで○回目だよ」と言いつつも、怒らないでやさしく教えてあげるのが一番だと思っています。
何度も同じ失敗をするのは、特性ですから、何回言われてもすぐには直りません。けれど、周りの大人が言動を変えると、子供は必ず変わってきます。
子供は褒められたいので、良い子になろうとします。どんなに憎らしいことを言う子供も中身は良い子になりたいと思っていますから、それを理解して、サポートしていくと、少しづつ変わってくるのです。
発達障害の特性に合った対応は、定型の子供にも分かりやすいというデータもありますから、早く、支配ではなく、話を聞くことが主流の教育に変わるといいなと思います。
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