あなたの周りに、大した事じゃない話をしているのに突然、不機嫌になったり、怒ったりする人はいませんか。人生振り返るとそういう人は、時々いて、私はできるだけそういう人とは距離を置いてきたつもりでした。
まさか、結婚した人がそういう人だったとは。付き合っている間は、そんな姿を見たことがない人だったのに、なぜ!?謎が多過ぎて、結局時間ばかり取られてしまったのでした。外と内があんなに違う人がいるなんて、ホラー映画やドラマの世界としか思っていませんでしたが、事実は小説より奇なりとは本当でした。
そういう人とやっと別れられた訳ですが、ムスメも同じ特性を持つ人なので、やはり苦労は尽きないのでした。
誤解するから判断も誤る
彼らはただ単に相手の意図していることが分からない、つまり、そういうことなのです。
分からないから誤解して、誤解するから判断も誤る。会話が苦手というのは、そういうことなのだと最近分かりました。
我が家では、モトオもムスメも本当に話が通じませんでした。
軽く「そうなんだあ」と返して終わるような話も「そうなんだ」にならないので、どうしたらいいか分からず不機嫌になったり、怒ったりするのです。
言葉は話せるのに内容が通じない。それが、なかなか理解できませんでした。同じ社会に同じように生きているわけだから、通じないはずがないと思ってしまっていたのです。人間、話せば分かり合えるはず、というか、好きで結婚したくらいなのだから、話し合って分からないはずはないと思うのは当然のことです。なので、会話を避けようとしたり、すぐ怒り出すふたりに、私は怒るようになっていったのです。
私が「Aがいい」と言えば、家族なら「そうだね、あなたはAだよね」と言ってくれてもいいのに、彼らはそうならない。彼らにとって家族とはなんなのか、本当はそれすらよく分かっていないんじゃないかと思いますが、ムスメが努力してくれていることには感謝しています。
常に起こる問題の原因はふたりの脳にあるわけですが、生まれつきそういう脳を持つ本人がそれに気づけるはずもなく、それを許容する環境に育ってしまったモトオなどは、こちらがどう頑張ったって、変わるはずはないのでした。
完璧な人間なんていませんから、批判や否定はあって当然なのですが、うちのふたりはそれが絶対的に聞き入れられない。批判する人は悪と思っていますから、私はずっとふたりから悪者にされてきました。簡単に言えば、これがカサンドラの原因です。
今分かるのは、ふたりは私が言ったことをよく誤解していたということです。なぜそういう捉え方をするかは、ムスメが少しずつ説明出来るようになってきたので、だんだん分かるようになりましたが、これはもう脳の誤作動というしかないのだと思います。
つまり、発達障害があると相手の話している内容の意図することが正しく分からないのです。なぜかと言ったら、脳がそういう風に出来ているとしか言いようがないのです。
聞く耳も持たない
そして、更にそういう人は、聞く耳を持たないというのも結構共通しています。ムスメは、以前に比べると大分話が聞けるようになってきていますが、どんなに間違っていても自分が正しいと思ったら、疑いません。頑として人の言うことを聞かないのが基本ですから、我が家は言った言わないの水掛け論を呆れるくらいやっていました。
毎回こうなることをおかしいと思わないのかと思いますが、グレーの人は自己認知が弱く、話すのが苦手で確認もしないので、こちらが言わなければ一生気がつかないのです。そういうところを家族が特性としてしっかり理解していないと、被害をまともに受けることになります。
グレーの人は外でマスキングやカモフラージュで繕えるので、外ではそういう面を見せませんが、家では素でいたいと思っている彼らは、家族のことはお構いなしになってしまうのです。家族からしたら、ひどい話です。
長くなりましたが、今回もつまらない話で、思いやりの一言「そうだねえ」が、言えないと言うムスメとのやりとりです。
夫婦関係にも同じことが言えると思いますが、そういう一言を言うか言わないかは、その人が何を大切にしたいかということに繋がりますから、努力できない人とは、家族だからといって我慢して一緒にいなくてもいいのだと思っています。
批判や否定的な意見はタブー!? お前はプーチンか!?
最近、外見を気にし出したムスメが学校帰りに化粧品を買ってきて、見せてくれました。
なんてことはない会話だったのですが、またいつものように急に怒り出したので、訳を聞くとこう言うのです。
「いきなり否定してきたのはママじゃん!」
「え、否定なんかしてないよね?」
「してます!」
『でた!水掛け論!』と思い、気持ちを落ち着かせて淡々と返しました。
「してません。 よく分かんないから、説明してくれない?
ママが何を否定したって言ってるの?」
「だから、私が買ってきた化粧品をそんなの効かないって否定したじゃん!」
「ああ、それはだって、鼻のブツブツに一番いいのは、洗顔だって知ってるから、そう言っただけじゃない? 私もそういう年頃を経験してるので、いろいろ試したけど、そういう商品はそんなに効かないよって話。 それに、毛穴だから、洗顔しかないのよ。 気になるなら、もっと頑張って日中何度も洗顔すればいいんじゃない? この間テレビでやってたじゃん。
ということで、私は自分の意見を言ったまでです。 なのに、不機嫌にされたり、明らかに私より経験や知識の少ないあなたから、知らないくせにみたいに威張られたりするのは、気分が悪いです。私からしたら、あなたこそ知らないよねって話です。
ここは「へえ、そうなんだぁ」とか、言えばいいだけでしょ?
怒るのはおかしいよ。」
「そうなんだ」は、そう思った時に言う言葉ではない
「そうなんだ、なんて思えないのに言えるわけない!」
「え!? ”そうなんだー”は、あなたもそう思う時に使う言葉じゃないから。『そうなんだー、そういう意見もあるのねえ』っていう、人の意見を尊重する、会話ではよく使う便利な言葉です。 あなたがどう思ってるかは関係ない。 そう思わないなら「ママは、そうなんだー。でも、私はそう思わないけどね」でいいんじゃいですか。
「だって、否定して来たじゃん!」
「だから、それは否定じゃなくて、そういう商品はいろいろ使って来たけど、効かないよって、私の意見を言っただけ。
あなたがその化粧品を信じて買って来てるんだったら、『ママが使った昔の化粧品と今の化粧品は違うんです。これ使って毛穴無くすから、ぶつぶつ消えたら見せてあげる!』とか言えば、ママは『そうなんだー、じゃあ頑張ってー』て、会話になるんじゃない!?
どこにも怒る要素ないんだけど!」
こういうことが我が家ではしょっちゅう起きるのでした。そして、この時もどんなに言っても、
「『そうなんだ』と思えないから言えない!」
の一点張りなので、
「あなたの脳はそうとしか捉えられないんだね。 それは仕方ないんでしょう。
でも、そうなんだねーは、あなたがなんと言おうと、世の中では、人と会話をうまくするための潤滑油みたいな、相槌みたいなものだから! 言えないと大変だろうけど、あなたが相手と対立してもいいと思うんだったら貫けばいいんじゃないですか。
でも、私は自分の意見を言っただけで、否定してないとも言ってるのに、否定したと言うんだから、もうこれは喧嘩売られてるわけですから、私は気分が悪いので、あなたとこれ以上話したくありません。 以上、終わり!」
と言って、離れました。
つまらないことで腹を立てていると思うかもしれませんが、ムスメはこういう時、なぜか私よりものを知ってるかのように見下した感じで、話をするのでカチンときてしまうのです。
モトオもよくやってましたが、普段、自信がなく分からないと言ってるくせに、なぜかこういう時になると偉そうにするのが謎ですが、とにかくこちらはそういうことに惑わせられないようにしなければいけません。
冷静に俯瞰して話すことに努める。それしかないと思っています。
けれども、失礼なこと、間違ったことをしているのは変わりませんから、そういう言動は許さないという姿勢は大事だと思います。特性だろうがなんだろうが、間違った言動に対しては、毅然とした態度が必要と思うのです。
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