バイトの帰りに桜もち
実は、ムスメは昨年9月からバイトを始めたのですが、先日、バイトに行くムスメにダメ元で頼んでみました。彼女には難しいおつかいを。
「帰りに桜もち、買ってきて」
なぜダメ元かというと、我が家のASD娘は、小さいころからおつかい=自分はやりたくないことなので、どんなお願い事も拒否されてきたからです。
拒む理由は、特性がいろいろ絡んでいますが、おつかいは大抵急なので、その急な事がダメだとか、やり慣れていない事がダメだとか、とにかく、基本的に自分のことでいっぱいなので、人から頼まれる用事は、面倒で疲れるのでイヤだと言います。特に疲れやすいのは並の人とは違い筋金入りですから、まあ仕方ないと言ったら仕方ないのですが。
頼むと必ず「なんで?!」と反発を受けるので、更に大変になるのが分かるので、私が無理してなんでもやっていたのですが、やりたくないからといって一才しないで済むかといったら、世の中そうではないので、やはりスモールステップでやるしかないと、最近は、出来るよう、とにかく頼んで、考えて貰っています。
バイトから帰ると泥のように疲れているのを見ているので、帰りに用事をお願いするのは無理かと思いましたが、これも思い切って頼んでみました。だって、ひな祭りに食べたいじゃないですか、桜もち。
すると、やはりお決まりで返ってきた返事は、
「なんで?!」
でした。(笑)
これは、モトオにも共通していて、仕事でたまに早く帰る日に
「帰りに牛乳買って来て!」
と言ったことがありましたが、
「なんでオレが?! オレは働いてるんだよ!」
と言われ、よくケンカしてましたが、見事に一度も買ってきて貰えたことがなく、どんなに努力しても伝わらない人がいるというのも事実です。
選択する理由とその先を考える練習
やりたくないことを徹底してやらない選択をすると、その先どうなるか、考えれば分かりそうですが、先のことを読むのが苦手という特性を持つムスメには分からなかったりするのでした。
なので、考える機会をできるだけ作るようにして、聞いてくれない場合は放っておくことにしています。
「なんでって、今日、ひな祭りだから。 食べたいなと思って。 嫌だったら、いいけど。」
と私が言うと
「そういうこと!?」
と、本人はすごく驚くのです。
何がそういうことなのか、驚くムスメに驚く私ですが、どうやらその日が、ひな祭りだということが、まったく頭になかったようでした。まあ、だとしても、怪訝な感じで「なんで!?」ですからね。即「いいよ!」と快く言われる日がいつかくるといいなあと気長に思うことにしています。
因みに、ムスメは、私がこけし雛を数日前に出して、リビングに飾っていたことにも、まったく気づいていませんでした。
「雛人形飾ったの、気がついてた?」
と聞くと、ムスメはその数時間のうちに飾ったと思ったようで
「こっち(リビングルーム)に、ずっと来てないんだから、気づくわけないでしょ!」
と気づかなくて当然というようなキツ目な言い方をされました。何を偉そうにと思いつつ、
「飾ったの、数日前なんですけど」
と言うと、気づかなかった自分に驚いて
「嘘ー!?」
と大声で言うので、
「嘘じゃないよ、本当に気づかなかったの!?」
と私も言って、一緒に笑いました。失敗を一緒に笑えることは大事です。なんたってムスメは白黒の完璧主義ですから、自分の失敗を笑うことも難しかったのです。
結局、桜餅は買いに行ってもいいと言うので、お金を渡して買ってきて貰い、二人で美味しくいただきました。
自分の用事だと全然平気
人から頼まれるとしんどいことも、自分の用事だと平気だということがこの間分かりました。報告連絡相談が苦手で、基本話さないので知りませんでしたが、好きなアニメのお店には寄っていたそうです。現金な人なのです。ちょっとモヤモヤしましたが、これも特性です。
ですが、最近、「考えさせる」練習の成果が出てきたようで、気の進まないことに対しても(桜餅は、自分も喜んで食べるくせに気が進まないのが解せませんが)自分で折り合いをつけ、頼まれたことを引き受けられるようになってきたので、素直に喜んでいます。
たかがおつかいと思うかもしれませんが、大変な時にまったく手を貸してもらえないのは、家族として辛く、恨みに直結しますから、侮れない、大切な思いやり行動です。
ところで、私の生まれ育った地域では、桜餅と言ったら道明寺しかないのですが、初めて関東で道明寺じゃない桜もちしかない店に入った時は焦りました。『桜餅ののぼり出してるのに桜餅がない!?』って。桜餅はやっぱり道明寺と思う私は少数派なのでしょうか。
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